top of page

過去を認めて受け入れるのに遅すぎることはない

by イソ神父


どのくらい昔にさかのぼって過去を思い出せるかを試すと、きっと学校へ通い始める少し前の一時期くらいになるだろうか。兄の作った 小さな菜園のすぐそばで、母が掃き掃除をしていて、父もあたりにおり、自分はキッチンの近くの家の周りをただ歩き回っていたような姿が思い浮かぶ。そのころの私は、30代前半を迎えるまでの姿より、見た目は少しばかり丸っこくて太った少年だった。残念ながらそれをうまくとらえた写真を何年も前に無くしてしまったが、当時の私はぴったりとした青い半ズボンに白いシャツを着ていた。いろんなことがあったと私は思っているが、私の人生のすべての出来事を、これまでの分もこれからもたくさん理解し、ときに許し、そして感謝しなければならない。信念や物の見方が育っていく中で、私自身や現在の状況は、とても価値のある過去や、環境が私にどう影響を与えたかどのようにすべてに対処してきたかということによるところが大きい。

その内容と結果も含めて、現在の事実を認識しようとするなら、今この命を最大限に生きるために知っておくには決して遅くない過去を知ることであり、そうすることによって、その人となりがうまく描写されるだろう。完全でなくてもは今何が起きていて、何が現実に起こったかを知れば、十分に幸せであることがわかるだろう。中にはそんなことはもう自分には経験済みだという人もいるだろう。


すべてのことに感謝するということは、万人にとって当然でなくてはならないが、私も含めて多くの人にとって、それは簡単ではないかもしれない。まだそのようにできていませんよ、そのようなやりかたではありませんよと私が言うと、そのひとは、そのようにするんじゃなかったと後悔するのだ。その最悪のケースにおいて、私も今そのようなやり方をすべきではないし、そうすることは皆にタイミングよくやってくるはずの過去を知ることを遠ざけることになるだろう。


過去は終わりを意味するのではなく、それ自体に意味があるということがわかれば、今すぐという事はなくても、幻ではなく現実の生活をいきるためにとても重要な要素としてわかるときがくるだろう。過去を決して遅すぎることなく認めることができたなら、その生活にはより多くのことが存在しているにちがいない。その生活というのは、挑戦や冒険、泣き笑いのある生活として描かれるはずだ。私も含めてまだ過去を十分にベースにしていない多くの人のために、私たちの温かい協力とともに、私たちは頭上の偉大な力にたよるのです。私たちは現在についていくことができるようになるために、過去を理解し認めるようにと導かれているのです。


たとえそれが見た目にはできなくても、その私たちができなくて残ったすべてのことは、私たちをより愛してくれている天の力に頼るのです。


皆さんは時間のある時に聖書の次の二つの箇所を開いてみましょう。「ルカ9:62」には「イエス様がその人に`鋤き手をかけてからうしろを顧みるものは神の国にふさわしくはないといわれた」と語られています。そして「フィリピ3:13-14」にはパウロが共同体へ「兄弟たち、わたし自身はすでに捕らえたとは思っていません。なすべきことはただ一つ、うしろのものを輪ずれ、前のものに全身を向けつつ, 神がキリストイエスによって上へ召して,お与えになる賞を得る為に、目標を目指してひたすら走ることです」と伝えました。自分の過去を認め受け入れることは過去に留まる事ではないと思います。私たちのすべてをささげるために過去を認めて受け入れて、これからのイエス様の呼びかけに応える。

Recent Posts

See All

2024年8月15日・聖母被昇天(B)

聖母被昇天の神聖なるお祝いは、この聖母被昇天祭から得る事ができる幾つかの大切な事について、私たちが黙想するのに絶好の機会です。願わくば、この黙想/振り返りが、 私たちの信仰をもっと深めてくれますように。 確かに、私たちは、日々、平和と神さまとの一致を探し求めています。これに...

マリア様とともに

私たちの信仰共同体と、そして、神聖さへの召し出し 模範としての最愛の聖母マリアと共に 主の平和がみなさんとともに 私たちの小教区の共同体の活動は、小教区のすべての人ではないとしても私たちの多くによって、パンデミック以前と同じようにゆっくりと行われていると言えると思います。実...

思い出

by 今井章夫 (Lolo Fumio) アルセ神父様が唐崎教会に初めて見えたのは2009年のご復活の頃だと記憶している、あまりにも若くボンボンに見えたのは私だけではなかったかと思います。また、来られた時から日本語が堪能でありましたのは皆さん何よりも安心されたと推察されます...

Comments


bottom of page